とんぼ - 長渕 剛 / 伝説の名作ドラマ「とんぼ」 古き良き時代の終わりと平成の始まり…

最近なかなか更新出来なくて申し訳ありません。

最低でも月に一度は投稿しようと考えていますが、音楽って好みがありますから、オールジャンル聴くとは言っても、やはりジャンルの偏りなんかも出ちゃいますよねえ。

今日紹介するドラマは若者にはちょっと通じないかもしれませんが、40代から上の層なら懐かしく感じるのではないでしょうか。

1988年(昭和63年)に、全8話構成で放送された伝説の名作ドラマ「とんぼ」です!

ご覧の通り、現在とは随分雰囲気も違いますが、長渕 剛主演のドラマで、タイトルから察する通り、あの名曲「とんぼ」が主題歌となっている。

その他、キャスト勢には哀川 翔仙道 敦子などなど、今では超大物になっている人や懐かしい名前がズラリと並んでおり、パッケージを見ただけでも「うぉおー!!」っと天に掲げて叫びたくなる程興奮してきますよ!(笑)

哀川 翔はVシネマの帝王と呼ばれる程の超大物になっていますが、この当時はまだまだ俳優としてはそれ程名を馳せていません。

実際にはこれがドラマデビュー作ではないのですが、後のキャリアを考えるとある意味「真のデビュー作」と言える、以後の活躍の切っ掛けとなった作品です。

今の御時世ではちょっと言い難いのですが、ストレートに言うとヤクザ物のドラマ…なのですが、世間ではそう言う認識が強いだけで、私が思うには純愛ドラマだと思っています。

物語の前半では刑期を終えて出てきた暴力団の若頭、小川 英二(長渕 剛)が、自分を陥れた組を相手に反旗を翻す話となっており、自己中でワガママ、短気で荒っぽく、街中でやりたい放題の主人公。

その反面、人情味は強く、優しく礼儀正しい一面も見せたりと、部分的には"教育"に良い面もある(笑)

後半は、そんな主人公が堅気の女に恋をして改心し、ヤクザから足を洗おうとするのですが…と言ったストーリーになっている。

名作映画「ゴッド・ファーザー」もそうでしたが、反社会的な組織を決して美化せずに描いている点や、最後には今までの悪事への償い、ツケが回ってくると言った物語の構成が素晴らしい。

ドラマの内容を知らなくても、超有名なラストシーンはドラマ史に残る伝説の名シーンで、人情味豊かで温かい、古き良き時代"昭和"の終わりと、薄情でどこか冷たい"平成"の始まりを比喩した様な映像表現は当時のお茶の間にそれはそれは大きな衝撃を与えたのだ。

実は私、このドラマを見たのはリアルタイムで小学校1年生の頃である。

ただの1度しか見た事はないのに、この歳になるまでドラマ全話の各シーンを鮮明に覚えている。

それくらい強く印象に残ったドラマで、後にも先にも日本には「とんぼ」を超える名作は無いと思っている程だ。

このドラマを見た当時の私は"ヤクザになりたい"とさえ思ったくらいだが、ヤクザどころかグレる事もなく優等生やってましたんでね、そこはご安心ください(笑)

実際にはヤクザなんかに憧れていたのではなく、物語の主人公小川 英二の男らしい生き様や純粋で人間臭さのある粋な姿に憧れていたのである。

好き放題やってる内はみんな怖がって言う事を聞くけど、死にかけているヤクザを見ても誰も助けようとはしないし助けたいとも思わない。今更改心したところで世間が歓迎してくるはずもなく、そんな世の中の本音や、身から出た錆が招いた結果とも見える結末。

そんなラストシーンを見ても、ヤクザがかっこいいだなんて思っても許されるのは、精々中学生までですよ(笑)

このドラマはもっと深い部分、込められたメッセージを意識して見るべき作品だと思います。

実はこのドラマ、放送終了後にVHS版が発売されるかと思われていたものの発禁となっており、ビデオデッキカセットテープもまだまだ高価だった時代背景もあって、録画されたテープを見る機会も少なかったと思われます。

DVD化もまず有り得ないと言われており、この名作を二度と見る機会はないだろうと思われていたのですが、なんと2019年にどう言うわけか30年の時を経てDVDとBlu-ray版が発売されました。

当然買うでしょう!!

ただ、DVD版をご覧になれば当時を知っている人なら気付く事もあると思いますが、移動中の車の中で常吉(哀川 翔)が流したサザ…あ、いや、あるアーティストの曲を英二(長渕 剛)が「クソみてーな歌」と罵るあの曰く付きのシーンがご自身の曲「巡恋歌」に差し替えられていたり、名刺の所属部分にぼかしが掛かっていたりと、今の時代や当時の関係者に配慮した内容に修正されています。

多少の修正はあるものの、シーンのカットなどはなく違和感もないリマスターとなっているので、見た事のない平成生まれの若者はもちろん、昭和最後の思い出として懐かしむオジサン、オバサンも、是非DVDでご覧になって欲しいです。

ちなみに、余談ですがラストシーンを見て感じた事があると思います。

主人公は"約束"を守るため、"帰りを待っている人"のため、最後の気力を振り絞って立ち上がるわけですが、歩いて去って行く間にフェードアウトするので死亡と断定出来るようなシーンはありませんよね。

意外と知らない人も多いのですが、実はおすすめし難いですが続編があります(汗)

1話完結のドラマ版「英二 ふたたび」と映画版「英二」なんですが、ファンサービス要素はありますし、短編のヤクザ物としては面白いと言えるのかもしれませんが、個人的には「とんぼ」とは切り離して外伝として見た方が良いと思います。

駄作とは言いませんが、ドラマの綺麗な終わり方を見た後に見ちゃうと残念な気分になるので…。

以下には主題歌となったドラマと同名の名曲「とんぼ」を紹介しておきます。

YouTube - Tsuyoshi Nagabuchi公式チャンネルより


脚本:黒土 三男

タイトル:とんぼ

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