アミラファンのみなさん、こんにちは。
出演歌手のルカニョとアミラが立て続けに体調不良でどうなる事かと心配でしたが、クリスマスコンサートは予定より3日遅れて12月23日に配信されました。
南アフリカのプレトリアにあるアタベリー劇場からです。
今回は9月のDream With Meと異なり、ソロコンサートではありませんが、アミラの出番は多かったので、ファンも納得のクリスマスコンサートになったのではないでしょうか。
日本人がクラシック系のクリスマスコンサートを好んで見ないのは、どうしてもポップスの様に楽しいクリスマスを連想させる曲と違って、宗教色が強くなり過ぎる点だと思います。
原則、讃美歌一色になって神を讃え、祈る歌になるので重いと感じるのは否めない。
ただ、歌詞はラテン語が多いので聴いても直接何言ってるのかはわからないでしょう?(笑)
余計な事は考えず、純粋に美しい歌声と旋律に浸って聴けば良いと思います。
出演はアミラ・ウィルハーフン(ソプラノ)、ルカニョ・モヤケ(テノール)、ムザンシ青年合唱団(聖歌隊兼ダンサー)をメインに、前回に引き続きピアニストのチャール・デュ・プレシス、ヴァイオリニストのリゼル・ル・ルーを始め、楽器奏者とコーラス隊も増やして豪華になっています。
前回は敢えて触れませんでしたが、今回は照明がしっかり仕事をしており、アミラが真っ白に映る様な事もなかった点や、台数の増えたカメラによってアングルに自由度が増したのはとりあえず評価しておきましょう(笑)
9月のソロコンサートは毎年同時期に開催されるレクサス・クラシックスの代わりであると同時に、昨年開催出来なかったコンサートの穴埋めを兼ねたもの。
今回のコンサートは毎年恒例でオランダ・ベルギーで開催していたファンデーイベントとクリスマスコンサートの代わりとなるもので、ご存知の通り新型コロナウイルスの影響で開催出来ないためにオンライン配信でのコンサートとなっています。
クリスマスコンサートなので、もちろんレパートリーは讃美歌がメインとなるわけですが、今回は今までとちょっと違った演出があります。
今回、南半球に位置する真夏の南アフリカで開催する事もあり、夏らしい明るく元気なアレンジと言いますか、African Christmasの主題が示す通り、アフリカらしいリズム感のあるパフォーマンスが加わっています。
この辺りはどう捉えるか異なると思いますし、多くのアミラファンは静かに祈る様な讃美歌やオペラのアリアを期待するところだと思いますが、ある意味新しい試みと見る事も出来ます。
ジャッキー・エヴァンコがそうであった様に、クラシックシンガーは意外とジャンルの汎用性・適応性が高いと言う事に気付かされるはず。
後半に登場するアフリカンアレンジのThe Little Drummer Boyでは、まるでアイドルの様なノリを披露するので、あまりのギャップに一瞬こちらが適応できないが、どこか中毒性のあるリズムで何度も見たくなるパフォーマンスに仕上がっている(笑)
アミラのダンスはファンの間では"評判が良い"ので置いといて、ファンデーイベント以外ではこんなにポップなノリで笑顔全開で歌うアミラを見る機会はなかったので、結構驚かされる人も多いはず。
また、José de Canha Coutureのドレスも、レクサス・クラシックスで着るBe Dazzledとは雰囲気が全く異なる。
手編みのレースや刺繍が凝っているBe Dazzledの方が豪華で高級感があるトラディショナルなタイプだが、José de Canha Coutureの方は生地の柄を活用した現代風のパーティードレス寄りと言った感じで、アメリカ人や若年層には後者の方がウケは良さそうだ。
さて、それでは今回のコンサートの内容を紹介しましょう。
讃美歌やオペラのアリアが多いですが、日本でも良く知られる曲が半分、マイナーな曲が半分と言った感じでしょうか。
1曲目はフルキャストで歌うShepherds in the Field Abidingから始まります。
この曲は歌詞の言語違いだったりでいくつかのバージョンと言いますか、認識されている曲名が異なりますが、恐らく日本でも良く知られている「グローリア」です。
Gloria、ないしはGloria in excelsis DeoまたはAngels We Have Heard on Highと言った曲名で知られており、日本では「荒野の果てに」と言う呼び名もありますね。
1曲目からクリスマスらしい讃美歌で掴みは完璧。
2曲目はアミラのソロでMariä Wiegenliedと言うドイツ語の歌。
マリアの子守歌と呼ばれていますが、どちらかと言うと日本ではマイナー寄りのクリスマスキャロルになる点や、ソリスト向けなので幼稚園のクリマス会や教会の聖歌隊が歌うのを聴く機会はあまりないかもしれません。
3曲目は世界共通のど定番、Joy to the Worldをムザンシ青年合唱団がダンスと合わせてアフリカンアレンジで合唱する。
思わず手を叩いてリズムを取りたくなる愉快なノリで、楽しいクリスマスパーティーにはぴったりと言った感じ。
ヨーロッパのファンが何人かこれについてコメントしていましたが、ヨーロッパのクリスマス特有の寂しさや暗さがなく、例年とは違った明るい気分になった!と言った感じ。
クラシックに期待していただろうファンが多そうなコンサートで、意外にもアフリカのリズムは評判が良いみたい。
聴けばわかるのですが、最初はなんじゃこりゃ?ってなるんだけど、妙に中毒性があるんですよ(笑)
4曲目はごく一部のファンだけ、アミラからビデオメッセージで事前に知らされていますが、ごく一部と言うのはパトロンの45人だけです。
私の他に日本人の方はおられますか?
曲はMerry Christmasに収録されているモーツァルトの曲とこっそりお伝えした通り、Ave Verum Corpusです。
ビデオメッセージの中では、以前幼い頃に歌ったこの曲を現在の声で聴くべきだと自信満々でしたが、確実に成長し、明らかに年々良くなっている。
ただ、かなり宗教色の強いカトリック系の讃美歌なので、日本にこれを好んで聴く層がどれくらいいるのかわかりません(笑)
5曲目はルカニョのソロでAve Maria(シューベルト)、6曲目はムザンシ青年合唱団のHark! The Herald Angels Singと続きます。
7曲目は何を歌うのか楽しみにしていたデュエットで、I'll Walk with Godが選曲されています。
この曲はThe Student Prince(皇太子の初恋)と言うミュージカル映画の挿入歌になっている曲で、讃美歌ではないのでクリスマス向けなの?とやや疑問に思うところですが、神と共に歩もう、神に祈ろうと言ったニュアンスの歌詞なので宗教的と言えばそうとも言える感じか。
8曲目はど定番のJingle Bellsを、チャールのピアノでジャズアレンジのインストゥルメンタルで。
クリスマスのBGMにピッタリの明るいポップな曲です。
ここまでで、それぞれのキャストのパフォーマンスが一通り出揃いました。
ここからいよいよ終盤となりますが、9曲目にアミラのソロでLa Vergine Degli Angeli。
10曲目は異色のThe Little Drummer Boyですが、今回のコンサートではこれに触れないわけにはいかないでしょう(笑)
ファンデーイベント以外ではまず見れない、つまりYouTubeなどでファン以外でも視聴可能なコンテンツでは"今までにない"と言える、踊るアミラが見られると言うある意味今回のコンサートの目玉とも言えるパフォーマンスです!
ムザンシ青年合唱団のバックダンスを交え、アミラのソロパフォーマンスとなりますが、クラシックシンガーがクリスマスコンサートでLittle Drummer Boyを歌う事は珍しくはないものの、アフリカンアレンジと言う特殊な例である点と、何よりアミラファンにとっては衝撃的なアイドル風のパフォーマンスになっている点。
恐らく、我々日本人がイメージしている"アイドル"を意識したわけではなく、ポップでリズミカルな演出に合わせたパフォーマンスだとは思うが、手を叩いて踊り出した時は思わず目を覆いたくなる(笑)
世界に配信してしまったのか…?
相変わらず固い動きで、ロックダウン中に始めたオンラインのバレエ教室の成果が出ていない様子だが、これは愛嬌と思って見守ろう。
しかし何だこれは…?
徐々にノリノリになっていくアミラに合わせて、中毒性のあるリズムにつられて一緒に踊りたくなる気分(笑)
このパフォーマンスがヨーロッパのファンの目にはどう映ったのか気になるところで、神聖なクリスマスコンサートへの冒涜だと怒り狂うファンが出てくるかと思いきや、コメントを見る限りかなり評判は良い様子。
どちらかと言うとファンの年齢層はおっさんの私でさえ若い方でしょうから、ほとんどのファンは自分の娘、ないしは孫を応援する様な気分で見ている層が多いと思われます。
日本でも、こう言うパフォーマンスに、じーさんばーさんは大喜びする(笑)
ちなみに、アミラは最近ボーイフレンドができたそうですが、これは非常に良い傾向ですよ。
確実にパフォーマンスに磨きが掛かると言えるからです。
歌に重要な要素はやはり心、豊かな感情表現があってこそ。
多彩な言語を歌いこなそうとも、讃美歌は信仰心で歌えても、恋心や愛を表現するには経験不足。
デュエットに多いラブソングを歌いこなすには必須の経験だと言えるし、本人のためにも良い。
かつて、デビュー前のアンドレア・ボチェッリも同じ事を師に言われたそうです。
つまり、受け売りですが(笑)
話が逸れましたが、コンサートの締めに歌うのはフルキャストでThe Lord's Prayerの合唱となります。
美しくパワフルなこの歌は、締めに相応しい選曲ですね。
有名な曲なので特に説明は不要でしょう。
コンサート終了後、カーテンコールでは花束を受け取った後に、お決まりのアミラのカーテシーが見られるので、ファンは大喜びでしょう(笑)
オンラインコンサートでもきちんとやってくれますよ!
カーテシーが何なのかわからない人のために簡単に説明すると、スカートを軽く持ち上げて腰を落とすヨーロッパの女性の伝統的な礼儀作法、感謝や敬意を払う挨拶の事で、日本で言う所のお辞儀に当たる。
オランダ人のアミラはステージを去る前に必ず行うが、アメリカ人のジャッキーはやらない(笑)
エンドロールではチャールのピアノでDer Flohwalzer(ノミのワルツ<猫踏んじゃった>)~The Lord's Prayerが流れて終了です。
気が付けばあっと言う間でしたが、アミラの出番も多くて満足度の高いコンサートだったと思います。
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